戦後生まれの歴史家

戦後生まれの歴史家・歴史学者たちで、日本の近現代史とくに昭和戦前史を専門にする人たちの多くは、日本の戦争ーーとくに太平洋戦争に関して、「なぜ負けると判る戦争をしたのか?」に大きな関心をもつ。

戦前の歴史家・歴史学者であれば、たいていは「あの戦争は正しかった」「あの戦争は間違っている」というように、日本の道徳的または法的な「正しかった」「間違っていた」の主張が多い。

しかし戦後生まれの人々、その方面の専門家たちは、「負ける戦争をした」という戦略的なことや政治的な判断に興味は向けられる。

戦術や兵器などに興味があるわけではなく、軍をはじめとして、当時の日本の指導者たちの思考に興味をもつということだ。日本という集団から、日本人という思考を考えざるをえないのだろう。