男は考古学の対象になる

暴力・腕力・格闘、テロと戦争。競争と優劣、名誉と名声、権力と政治。
以上はすべて男が欲するものであり、男が主体でおこなわれてきた。
ひとことで男の最も典型的な性質を言えば、男とは、見栄張りで、威張りたくて偉そうにしたくて、周囲からチヤホヤされたく、それでいて女に母性的なものを求め、究極的には甘えの権化である。
科学やシステムが一層に発達した未来では、実質、男は消滅するだろう。人工的に精子・受精・胎盤などが進歩して、一方の性としての「男」性は不用になる。人類は女だけになれば、もはや女「性」という「性」はなくなる。そもそも女だけの世界だから性別というものそのものがない。DNA操作その他の技術によって、おそらく最初から男は誕生しないようになるだろう。文字通り女だけの世の中が具体的にどのようなものかは判らない。それは想像の枠を超えられない。だが、男がいないほうが、いまの社会よりはいいと思う。
現実の男が皆無になった世界においては、男はフィルムや写真、テレビ・映画、パソコンのデータ、活字や漫画などの「資料」として知る以外は存在しない。男のことは考古学の対象になるだろう。それでいいと思う。