戦争放棄は国家主権を超える

戦争放棄の理念は国家主権を超える。戦争は国家主権のもとに為される。だから戦争放棄は、国家主権の一部である権利権限を放棄していることになる。これからの世界は、国家主権のなかの戦争をする権利を放棄すること、つまり戦争放棄が広まり定着していくべきである。
戦争さえなくなればすべてがうたくいきよくなる、などとなにもそこまでは言っていない。だがすくなくとも、戦争が世の中でいちばん悪いものであるとはいえる。国をあげて、国家の総力をかけて殺すこと、破壊することをする、それが戦争である。そうであれば、それ以上の悪いものがほかにあるだろうか?そうやって国家と国家とが武力を使って戦い合うのである。それ以上にひどいことがこの世にあるか?それ以上にひどい悲惨なものがこの社会にほかにあるか?だから、戦争は世界最大の悪である。
それゆえに、戦争放棄は、ほかの何よりも優先的になされるべきである。戦争がなければ、さまざまな問題を抱えながらも、すくなくとも戦争のある状態に比べれば、まだしもましであり、人々の苦しみも緩和され軽減される。貧困、差別、秒くらい、災害、文化摩擦、教育問題、領土や民族の問題、世代間ギャップ、ジェンダー、宗教問題、貿易摩擦、不況やインフレ、メディア発達による確執…無数ともいえる問題を抱える社会、困難と苦しみを背負う個人…そこにもって、さらに国家の巨大な暴力行為である「戦争」が加わることで、よりいっそうの破壊と暴力が襲いかかるのだ。それが戦争だ。その戦争を放棄する。戦争を永久に放棄する。戦争放棄!これが世界でいま、なによりも優先され、早急に実現すべきことである。