帝国主義という表現

帝国主義が何かということは、今までに学者や思想家などが述べ、また主張してこられたのだと思う。

僕は「弱い者いじめ」の集団化現象が帝国主義だと思う。

大航海時代を中心にイベリア半島の人々が新大陸と呼ばれた地域を侵略し支配や収奪をした時代。資本主義が発達する過程で、武力や西洋的な法概念を用いながら、自国に有利になるように貿易などをしていくもの。金融独占資本という性質を軸に資本の輸出などを中心に、領土的な征服を含めて勢力を拡大していくもの。或いは多くの植民地が独立した第2次世界大戦後や冷戦後の世界においても、文化や多国籍企業のことを含めて他国や他民族を実質に支配していく新植民地主義や文化帝国主義と呼ばれることなど。

言葉と概念とイメージは、いくつもの種類があるのだと思う。しかし僕は、帝国主義を、要するに、個人のあいだでも、さまざまな人間関係に昔からあったであろうし、いまもある「強圧的」「排除的」「優劣意識的」な感覚から発生する「弱い者いじめ」の現象とその支配的な構図のことだと思う。ただ、それを全ての社会的な概念や説明に拡大してしまうと、あまりにも範囲が広くなり理解の把握が混乱すると思う。それでそれをとくに「集団による弱い者いじめの社会」というぐらいにしておこうと思う。

日常の人間関係や社会システムのなかに帝国主義的な要因と本質はあるのだと思う。ただもう少し具体的で一般的な概念としては、それが国家や国民や民族といった大きな社会集団や、職場や家族や地域といった日常の社会集団などを含めて、「社会集団な弱い者いじめの構造」といったように考えたらいいかと思う。