新帝国主義

新帝国主義といっても、何か真新しい概念や現象のことではない。自分が思う帝国主義の意味をまとめてみただけだ。

暴力及び権力によって弱い者いじめや少数弱者を抑圧・差別・虐待・排除することは帝国主義である。

これは歴史上の資本主義発達に伴って領土的な侵略や経済支配、不平等な条約や貿易の押し付け、自国に「一方的」な有利な利権の拡張などを求める、主として19世紀後半から20世紀半ばに かけて欧米(後に日本も含めて)を中心に世界を支配的に抑圧・搾取した時代に特徴的な現象だけではない。もちろんそういった典型的な帝国主義も含まれる。

植民地主義と資本主義が結び付いた典型的な帝国主義を含めて、それ以外であっても、暴力や権力をもって侵略・支配・差別・抑圧・収奪・排除の行為や体制やシステムは、基本的にはみな帝国主義である。

武力による侵略や支配は帝国主義である。その国の体制がどうであろうと、侵略する国家は帝国主義国である。植民地支配ではなくても、現地の労働に対する明白な搾取や支配的な待遇は、帝国主義である。その国家の内外の問わず、人種差別・民族差別・性差別は帝国主義である。自国の中であっても、思想信条や学問、個人の個性を奪い抑圧することは帝国主義である。

もちろん上記のような性格をもつ国や体制は多く、むしろそういった問題が皆無なほうが稀だと思う。そうなると殆どの国家や体制、或いは企業、機構や機関、団体なども帝国主義になってしまう。それだと正確な意味の把握にも反するし正しい理解にもならない。ただ集団や社会というものは、ちょっとしたことで帝国主義化する危険性をもっているということも考えておく必要もあるとは思う。全体が帝国主義とは言えなくても「帝国主義的」な要因を持ちやすいことは、ある意味で集団や社会というものがもつ「さだめ」のようなこともあると思う。

いずれにせよ帝国主義帝国主義「的」なことは、今後の世の中で解決をされていかねばならない課題だと思う。