「難しいこと」とは

科学や技術、体力などの運動的なことーーそういうこと以外での、いわゆる「難しいこと」とか「難しい話」とかいうのは、まあ、たいてい政治や社会、哲学や思想とかーーそういうたぐいのことが多いだろう。もちろんほかにもいろいろあるだろうが…
その手のものや話というのは、ふつうはたしかに「難しい」と感じることが多いだろう。いや事実、難しいかもしれない。しかしその理由のほとんどは、そこで使っている「ことば」が、聴き慣れない用語が多い、というのが本当のところだ。
あとひとつは、そういう社会的なことや思想的なことは、それに多少は興味を持っている人間は、たいてい理屈っぽい者が多い、ということがある。だから結果的に、なんか知らないが「難しそうなこと」をいうことが多いということだ。わざと偉そうに難しそうに言う人もいる。本人はそういうつもりはなくても、そういう話し方や言葉を使い慣れているので結果そうなる人もいる。いずれにしても、本来はそう大したことではないものが、難しそうに感じられるということだ。
どうしても必要上しかたない場合を除いて、できれば「難しいこと」は、言いたくないものだ。