戦争放棄は世界的な価値

戦争放棄は世界共通の世界的な価値になるべきだ。その必要に迫られている。いっさいの理由・名目・名称・目的を問わず、戦争をすべて否定し、戦争を絶対的に悪と認識すること。これは他のあらゆる価値に優先する。
「人権のための戦争」など存在しない。戦争が最大の人権侵害だからだ。
自衛のための戦争も存在しない。戦争は生命と生活を破壊するのだから、戦争は最大の「自衛に反する」行為だ。
自由を守るための戦争も存在しない。戦争は必ず自由を奪う。情報を統制し、プロパガンダに侵され、洗脳され、検閲を受け、非国民のレッテルを貼られ差別抑圧をされる。権力によって都合のよい主張や発言だけが称賛され、反戦や反体制的な言動は暗黙裡に抑制されるか、そうでなければ公然と弾圧される。ゆえに戦争は自由を奪う。もともと自由が抑圧されている場合は、戦争によってさらに自由が奪われる。だから自由のための戦争は存在しない。
「愛する者を守るため」の戦争も存在しない。戦争が愛する者を奪うのだから、この言葉じたいが矛盾だ。そのような論理と思想は、アメリカのアクション映画の決め台詞が生んだマインドコントロールである。その原点は日本の特攻隊である。大戦中の日本人をクレイジーと呼んだアメリカがハリウッドで焼き直された。愛のすり替えだ。そして戦争によって愛する者を失い、心身が傷つき、財産を奪われ生活を破壊され、人々にはその憎しみが残り憎悪の連鎖が生まれる。それは愛とは真逆の感情であり、愛を破壊し、そしてまた戦争を生み出す要因となる。
戦争はこの世で唯一の絶対悪である。戦争以外の何かの原因で、全人類が滅亡しても、それは戦争よりもはまだましだといえる。なぜなら戦争に比べれば、まだしも「仕方がない」と諦めがつくからだ。しかし戦争はそうではない。戦争だけは、唯一絶対に、最大の悪である。なるほど「戦争さえ無ければ、ほかはどんなに悪い世の中でもいい」とまで言ったら、それは言い過ぎで、あまりに極端だろう。しかし、それぐらいの決意で挑まねばならない。それほど戦争は悪いもので恐いことなのだ。ただ無条件で戦争を否定せよ。理由を問わず戦争に反対せよ。戦争放棄を世界の常識にしなければならない。