戦争の理由

戦争の理由など判らない。部分的には解ることもあるかもしれない。分かったような感じになる時もあるかもしれない。しかし、本当のところは、わからないのだと思う。

戦争の一般のことでもそうだが、たとえば日本でも、昭和の戦争なども結局は本当に誰でもが納得できるような理由は、わからないのだと思う。

テレビのドキュメンタリー番組などで、街頭インタビューらしい風景がある。老夫婦と見られる2人が、しどろもどろな感じで話す。おそらく戦争の原因とか、戦争をどう思っていたとか、戦時中にどんなことを思っていたか、とか…インタビューじたいは放送をされていないが、まずそういう質問がされたのであろう…たぶんその部分はカットされているのだろうが…視聴者にはそういう想像を容易にさせるようなものだった。

お婆さんが話す。「なんで言うてもなあ、」「あの頃は、お国のためだ言うしなあ、」…

しかし、それはホンネであり、そうなんだろうな…と、番組を観て思った。ーーそんなものではないだろうか…

国民が好戦的なムードで湧き上がって戦争になる場合もある。戦勝の報告を聞いて国民が熱狂する。しかし戦況が思わしくなくなってきて、日常生活も苦しくなれば、厭戦ムードになるのも普通だ。

太平洋戦争でも大東亜戦争でも十五年戦争でもいいが…

軍や政府や財閥や庶民や…インテリも右翼も…それぞれの立場や考えや感情などはあったろう…

しかし本当のことは判らないと思う。

戦争とは、いつの間にか始まり、それで終わるのだと思う。はっきり分かっていることは、戦争は人間がおこなう災害だということだ。