破滅を求めるか?

人は破滅を求めるだろうか?そんなわけはない。考えるまでもない。それにもかかわらず、破滅や自滅、或いは破壊といった衝動や欲求が人間にはあると、よく言われる。それは単に、不満と不安の感情の暴発にすぎない。それを、さも特別に、なにか思想的な宗教的な、もしくは心理学や精神医学などの学問的な形式にしたいだけである。本当に充足すること、真の信頼感を得ることーーそれが出来るか出来ないか?それだけのことだ。しかしそれが簡単だと言うつもりはない。容易だと言うつもりはないが、それじたいは単純なことなのだ。ーー満足と信頼ーーそれが有る上での破壊や破滅にたいする欲求は生まれない。