「こだわり」なき世界

必要以上の「こだわり」を捨てれば、人生も社会も、今よりずっと良くなる。

見切りをつける判断をして、状況次第ではまた希望をもち努力も惜しまない。イヤなこと、つらい時のことを思い出して、今が幸せなことを感じる習慣をつける。感謝が多く感じられるようになれば、無制限な欲望の拡大や他者との比較は少なくなる。優れた人や業績には素直に尊敬し感動する。ただ、無理にそれを真似することはないし、逆にそうでない人を下に見ることはしない。人を比べない。評価されたら素直に喜び、評価されなくても気にしない。

罪を憎み人も憎むが、ただし人を裁かない。裁くのは、上から目線の行為で、人間を善悪に隔てる。人を孤立させない、自分も孤立しない。助力を求めることを恥じず、救済は、することもされることも尊いことを認識する。

理屈を言わず、必要に応じた説明だけをする。形式や言葉尻にこだわらず、本質と真意をとらえるようにする。あらゆることで、目的と手段の本末転倒に気をつける。

「できない」を責めない。努力も否定しない。矛盾を恐れない。よければいい。

こだわり、プライド、評価や優劣、孤立と疎外、名目や形式の固執、過大な能力主義ーーそれらを個人と社会から除けば、理想の世界は簡単に現実のことになる。