資本主義とは何か?

資本主義とは「経済的なことに関して、欲望を無制限に肯定する考え方」のことである。

資本主義は、工業とか農業とか、その産業の種類を問わない。また、古代とか封建制とか民主主義とか、時代や歴史的な区分も問わない。或いは、自由主義国家とか社会主義国家とか全体主義国家とか、そういった政治体制も問わない。

ひたすら経済的な利益を追求するような思想、経済活動、経済社会システム、文化や生活の潮流、権力の在り方や政策ーーそれらを含めて、全て資本主義である。

資本主義は経済という社会的なエネルギーによって、世の中を便利にし豊かにする可能性をもっている。しかし同時に資本主義は、搾取と貧困、他国民や他民族に対する差別・抑圧、権力や情報を利用し私物化し人々を支配する傾向をつねにもつ。甚だしく危険なのは、民主主義の成長過程の国を経済的な利害を利用してその国の政権を利用してその国民を支配することや、軍需産業の肥大化、場合によっては利益のために軍事的な侵略や武力行使などを促すことである。

資本主義の根源は、人々の欲望だ。これを頭から否定しても意味はない。欲望から派生する資本主義が、それが人々の福利や平和や民主主義などに如何に貢献していけるかを考え努力することだ。資本主義は人々の欲望から生まれそれは物質的にも精神的にも大きなエネルギーをもつが、同じくそれと接して生きていく人々の力、人々の関わり方によって、どのようにも変わっていく可能性をもっている。暴力や抑圧、差別や貧困、弱い者いじめや少数弱者の排除、これらのことをなくしていく方向に資本主義の性格を変容させていくことが重要なのである。