目先の利害が大事

目先の利害が大事だ。
「目先の利害に惑わされるな」「目先の欲に目が眩んではいけない」「損して得取れ」…等々、これらの格言は、みな人の本性に反した言い方だ。それは無理なこと、無理とはいわずとも、かなり難しいことだ。難しいから、そのように「あえて」言っているのだ。
人は目先の利害を求めるのが当然だ。「それが出来れば苦労しない」「本当は判っているが、なかなかそのようには出来ない」…それが人間だ。
けっきょくは損になると判っていても、ひとは安直で安易なほうに進む。そのほうが楽だし、苦労しなくてすむからだ。理性的な判断と選択は、未来に希望と期待を求める生き方だ。しかしそこには大変さがついてくるし、また正直なところ未来のことはどうなるか判らない。それより目のまえの得と楽を求めるのは当然なことだ。安易な生き方でかまわないと思う。