自民党はいい加減が強み

自民党は、超「いいかげん」な政党だと思う。外国の政党を知らないが、おそらく自民党が世界でも珍しいほどの、トップクラスの、いいかげん政党だと思う。民主国家で、これだけ長期政権を保っていることが「いいかげん」な証拠だと思う。
「いいかげん」だから、やりやすい。力まなくてすむ。気楽さがある。
野党や革新政党、左翼や反戦団体などが、なぜ政権をとれず、仮に例外があっても殆どは「万年野党」でいるのか。それは革新だの左翼だの平和護憲だのという人々や団体は、いろいろ問題はあるにせよ、基本的には「正しい」からだ。正しいものは支持をされない。もちろん正しいものは、尊敬されるかもしれない。あるいはその言葉や理念その情熱に、人々は心を揺り動かされるかもしれない。それは決して少なくない。ーーしかし支持はされない。すくなくとも政治指導者としては、支持はされないのだ。理由は「正しい」からだ。正しいものは、正しいことは、それが良いとは分かっているし、それに感動もするかもしれないがーーしかしそれは支持はされない。正しいことは難しい。正しいことはみな良いと思うが、それをしていくには、並大抵でない努力、忍耐、勇気、理性、責任といったことが必要になる。それは大変なことだ。
だから、適当でいい、理想通りにはいかない、仕方ないこともたくさんあるーーそういう、ある種の安心感のようなものがある自民党に票は集まる。
「それ判るし、自分もそれがいいと思う」「だけど、それやるの大変なんだよね。自分そこまで頑張れないよ」…これが本音ではないか。国民の多くのホンネの「声」ではないかと思う。