流行と民主主義

民主主義とは、流行の政治権力化のことである。流行のジャンルや内容の良し悪しには関わりなく、流行っていることが巨大化し、さらにそれがあるていど以上の期間に渡って継続すると、政治的な力を持つようになる。
流行こそ最も多数の人々の要求や欲求の正直な現れだといえる。それは、趣味や嗜好であろうと、生活習慣からくる不満でも、いじめや差別問題であろうと、金銭的な苦しさでも、人間関係の窮屈さであろうと、ーーなんらかの不安と不満、無意識であっても秘められた欲求やーーそうした人々のそのなかでも「多数」を占める者たちの声が反映されたものーーそれが流行だ。
文字通り流行をあらわす「流行語」というものがある。衣装に代表されるファッション、音楽、ベストセラーの本や人気ドラマ、もちろんそれらに市民運動などの社会活動なども含まれる。
それら様々の「多数派」が社会現象になったものが流行だといえる。それが政治の世界で具体的に実現化すると、それが権力になる。
共通の多数派の政治権力化ーー流行を権力化することこそ民主主義である。