「かわいい」と「かっこいい」

とくに子供の場合だが、人やモノやものごとにたいする肯定的な表現で、女の子からは「かわいい」という言葉を聞くように思うし、男の子からは「かっこいい」が聞かれると思う。
「かわいい」は、たとえば人形や赤ちゃん、花や愛玩的な動物などにたいしてなど、その感覚は比較的にわかりやすい。では「かっこいい」はどういう感覚だろうか。それはたとえば飛んでいるジェット機などのスマートな形や速さ。特撮番組などのヒーローの強さなど…主として「強い」とか能力的な高さや、あるいは「たたかい」といったことがイメージされる場合が多いように思える。やはり子供の頃から、「男性」性のもつ戦いや強さ、競い合うものがあるのだと思う。それを一概に悪いとは思わないが、だが「かっこいい」という言葉や表現のなかに、無意識でも暴力性や破壊性、競争欲求などがあるのだろうと思うと複雑な感じがする。
暴力や戦争、権力闘争や支配欲求、こういった衝動や欲望は、やはり本能的な男性「性」なのだと思わざるをえない。ーーなにげなく聞かれる「かっこいい」の単語のなかに、男性特有の闘争本能や破壊欲求のようなものを感ぜざるをえない。