帝国主義と非暴力

帝国主義時代末期に現れその効果が証明されたのが、当時のイギリス領インドで為された非暴力抵抗運動によって成し遂げられたインド独立だった。
現在進行中のウクライナとロシアによる戦争の場合は、戦争が継続中なのだから、ロシアの侵略に対する対応に関しては侵略を受けているウクライナ側が主体となる。ウクライナは政治主導者も国民の全体も、武力を含めて(武力だけと限定しているわけではないが)徹底抗戦の姿勢を示し続けている。もちろん結果がどうなるかは分からない。
武力を用いるにせよ、非暴力によるにせよ、明確に徹底抗戦の意志を示したことにより、この戦いは反帝国主義の戦争となった。もしこれほど激しい抵抗がおこなわれなかったら、おそらくロシア軍の侵攻は、「侵略」とは言われても「帝国主義」という認識はされなかったであろう。事実的には帝国主義なのだが、帝国主義という認識には至らなかったと思う。この戦争は、帝国主義の復活を認めるか認めないかの戦いになった。