伝統に価値はない

ネット社会によって変化したことは多数あるだろうが、その中の1つに「伝統」がある。

芸術や芸能などをはじめ、地域の習慣や行事的なこと…

そのほかにも、ようするに「古くから受け継がれているもの」といったこと

そういうことをふつうに伝統というならば、いまの世ではそれは殆ど意味をなさない。

現代は「最新」がすべてだ。

知識や情報をはじめ、技術・職業や産業から趣味嗜好、芸能芸術、生活習慣や人生観までを含めて

すべては「流行」であり、情報がすべてだ。

伝統、慣習、古典的な価値…そういうものは、すべて売れない骨董品にしかすぎない。売れなければ、そもそも骨董としての価値もない。

いまだなお伝統に価値があるように思われているのは、伝統それじたいの価値ではなくて、伝統に価値を求めようとする「価値」である。

伝統を価値あるものとしようとする気持ちーーそれが現代では、いわゆる「伝統的価値」なのだ。