真理と学問の乖離

真理と学問は分離した。全く別個になったわけでない。役割が変化したのだ。

学問や科学と言われるものは、専門家による実験や資料収集の結果だ。それの整理や判断などだ。

真理に普遍性や絶対性はない。それが人のことでも、からだのことでも心のことでも、恋愛の問題だろうが、社会や経済や政治だろうが、もちろん思想や芸術だろうが、そして科学だろうがーーそこにはその時々の真理もしくは真理らしきものがあるが、それはすぐに覆されるかもしれない。それでいいのであって、それがいわゆる「真理」なのだ。

その時々の状況や条件のもとで、間違いがない、すくなくとも「まずまちがいがない」と思われたことが真理である。

学問も科学も、真理らしきものだ。それは神話に似ている。そうあってほしいと思うこと、とくに多くの人々がそれを望むことによって、それは真理と信じられるようになる。

学問や科学は流行によって真理をつくる。それが神話である。