権力の否定

僕は権力を否定するから政治を否定する。良い政治や悪い政治ではない。政治は悪いものだ。選挙も議会も政府も憲法も民主主義も独裁も否定する。非政治的な世の中が良い世の中だと思う。少なくとも、政治的な世の中よりもいいと思う。

権力、暴力、侵略、戦争、革命、略奪、ことばや表現は違っても本質は同じだ。力によって奪う、力によって強制する、力を誇り力を競い、力の優劣を示したがる…愚かな、特に主として男性的な、衝動的な欲動だ。

不信感から生まれる不安が、醜悪な承認欲求の塊となって現れたのが、今の人間社会だ。男は、みずから自分の幸せを壊す。虚しい戦いを続けるためだ。

政治だの経済だの戦争だの国際社会だの、そんなものからは解放されたほうがいい。組織、制度、集団、民族、国家、ーーそういう束縛から身を離して、いっぺん自分を俯瞰で見ることが必要だと思う。