欲求不満と孤独感の結果

右翼・国家主義民族主義・極端な人種差別・性差別ーーこれらの人々は、欲求不満と孤独感もしくは孤立感の極度の束縛を受けている者たちだと思う。総じて自分が、他の多くの人々や周囲に交われないと強く感じている。その反動が、自分が特別に優れていて、その優れている自分を皆は理解できない馬鹿者だとする。そのように思うことで自分を肯定し自分を保つことができる、すくなくとも、そのように考えようとする。そのように思い込ませようとする。そして、そのうちに、本当に自分や自分の考えが優れていて、ほかの者は愚かで劣等な者だと結論するようになる。
そのような、極端に「自分は優れていて、そのほかの者は劣っている」という考えの人々を仮に「優劣主義者」と名付けるとすれば、この優劣主義者は、たいていの場合は、権威や権力そして暴力を求める傾向になりやすい。その素朴な状態が暴力志向であり、それが知識や知恵が付いたのが権威・権力つまり「支配」の志向となる。支配を求めることは、そのために組織化や制度化などをしていく。運動や宣伝、情報の操作など、さまざまな手段で、人々を無限に支配しようとする。
それは具体的には、政治や法律を使って国家を支配しようとする。国家を支配して国民を支配する。自国民だけを支配するのでは満足も安心もできず、よその国家や国民も支配したくなる。すべての民族も支配したくなる。すべての宗教も思想も道徳も支配したくなる。すべての生活と社会を支配したくなる。すべての人間を支配したくなる。ーーいっさいを支配せずにはいられなくなるのだ。