平等と無個性

いっさいが平等になる。そしてすべて同じになる。科学技術と社会システムが発達していけば、ほとんどの世の中の差別化はなくなる。同時に個性の喪失も意味する。容姿の美醜、筋力や体力もちろん健康も。技術や芸術も基本はコンピュータがしてくれる。多くの思想家や経済学者たちが長い歳月をかけて目指してきた問題、貧富差や景気の問題も大半は解決されるだろう。ハイテクとオートメ化の産業は、かつてのSFで描かれたような悲観的なものではなくて、ごく普通に機械化した合理社会に向かうと思う。努力と才能が必要ない時代になる。個性はずっと少なくなる。それが不幸かどうかは判らない。案外とても幸せかもしれない。