人は生き物をやめる

人は生き物なのか?けっこう疑っている。それはまあ、いい。
すくなくとも近代以降、社会の大きな在り方は、大きく分けて、集団がひとつの方向でまとまり進んでいく方向か、個人が中心の個性が露骨に発揮されるようなものか――どちらかの傾向に分かれると思う。
理想的な人間像なり国民のイメージなりを中心にしたものは、ある時期では有効で有用だったかもしれない。しかしこれからの社会・世の中は、文字通り「いろんな人がいていい」になると思う。そしてそのほうが生きやすいと思う。頑張る人も頑張らない人もいる、勤勉な人も怠け者もいる、弁の立つ人も口下手な人も、社交的な人と人付き合いが苦手な人と、おそらく、一見て、てんでばらばらに見えて、ようしょ要所のところで、いざとなれば協力しあって生きていける、そういう社会に向かうだろう。