戦争報道は武器展示会ではない

マスメディアやSNSウクライナの戦争報道に、やたら武器の映像や画像、あるいは武器の説明などが多い。すくなくともそれが目立っている気がする。しかし戦争報道は、武器展示会場ではない。傲然とした戦車の姿、戦闘用ドローンの説明や解説…戦争だから武器を使うのは当然だろう。だからといって武器の誇示とも思えるような、「武器」という「無機物」の兇器を、まるで「生き物」「人間」のようであるかの如くイメージさせるような報道の扱い。ーー武器などというのは、言い方を換えれば「危険なオモチャ」である。オモチャで遊んでいるあいだはかまわないが、それは紙一重で殺人兵器そのものになる。
ゲームというものがある。チェスや将棋や囲碁もある。また身体を使う競技であるスポーツもある。小説や漫画、映画やアニメなどでも戦争を扱ったものはたくさんある。戦争を娯楽やゲーム的に扱った作品もある。あくまでその娯楽性やゲーム性という遊戯的なことに限っては、原則的に自由と私は考える。しかしそれはそれで、今回のようなウクライナ関連の情報や報道などメディアのあり方としては、それも基本は自由という原則的な考えを私はもつが、だが同時に公的なマスメディアなどは、そのなかでも報道のしかたには良識と慎重さが必要だと思う。むやみに武器や戦術などを必要以上に強調するような報道姿勢は、よく考えてほしい。すくなくとも、好戦的な戦意高揚とも思われるような在り方については、慎重であってほしいと思う。