NATOの陰謀

最近ほどNATOがマスメディアで報じられる時代はない。それも好意的に。ロシアのせいで国連の信頼感は低下し有名無実化の一歩手前だ。以前から国連の問題は言われていたが、ロシアが常任理事国であるため、さらに問題は深刻になった。
NATOは急速に勢力を増している。冷戦の遺物ともいえる軍事同盟が国際機構に取って代わろうとしている。
国連はその非力さを批判されながらも、平和・人権及び人道・経済的な安定と貧困からの解放などを理念的な基本として活動をしてきた。制度的には民主的な基盤を前提にしながら安保理の五大国が主導権の一定の部分を持つという複合的な構造になっている。
それでも国連の意味は、世界の大半の国家連合もしくはそれに近い存在だ。それに比べてNATOは多数の国家による軍事同盟だ。軍事同盟が膨大な軍事力のみならず政治的な権威としても拡大しようとしている。
国際社会そのものが「いびつ化」してきている。