引き続きNATOの自重を望む

引き続きNATOの自重を望む。
NATOは直接の参戦をしないことはもちろん、できるだけロシアをこれ以上に刺激しないことだ。それはあとまでロシアに対する牽制とウクライナに対する間接的な支援に留めるべきだ。
メディアの報道は、プーチンの暗殺やクーデターを期待するようなニュアンスだが、それは戦争をやめる可能性に通じるかもしれないと思うのも解るが、それを中心にするプロパガンダ的な報道姿勢は慎重さも求められる。それは全体的には、煽情的なイメージ作りになったとき、結果的には停戦・和平への道から遠ざかる場合もある。
NATOは事実上の臨戦態勢かそれに近い状態だといえるだろう。それは現状からやむを得ないとしても、そこまでにしておくべきだ。参戦はいけない。たとえ偶発的にでも衝突するようなことになれば、まずNATOを巻き込んでの全面戦争にもなりかねない。そうなれば、いまでも苦戦しているロシア軍は、たちまち戦況が不利になるだろう。もちろん激化する戦いで死傷者の増大それも飛躍的に膨大な数の犠牲者が出る。それでもそれでロシアが降伏すれば結果は戦争終結を早めると考える人々もいるかもしれない。しかし被害者の増大ということじたい、それは避けなければならないはずだ。しかもそれでロシアが早く降伏するという保証もない。
NATO軍が参戦すれば、まずロシア軍が占領地を広げているウクライナでの戦闘となるだろう。ウクライナの戦禍はより激しくなる。ではウクライナ越しに直接ロシア国内へNATO軍が侵攻した場合はどうなるか。直接に自国が戦場となったらロシアは、戦意むき出しでNATO軍に抵抗する可能性が大きくなる。現在はロシア軍の指揮は乱れ戦意は低下しているという。それがもし自国が直接攻撃を受けることによって、ロシアは軍民そろって積極的に戦争に協力的になるかもしれない。それはNATO軍をかつてのヒトラーナチスになぞらえて「祖国防衛戦争」として徹底的に防戦するかもしれない。戦闘は飛躍的に激化し戦禍はさらに膨大になる。それじたいが悲惨なことであり絶対に避けねばならない。しかもNATO軍がロシアに釘付けになっているあいだに他の第三者的な国または諸国が戦争を始めるという危険性も拡大する。戦争の惨禍は広がる一方である。そういう事態は、なんとしても避けねばならない。
NATOは自重を続けよ。そしていまおこなわれている戦争にたいして、即時停戦を呼び掛けよ。