戦争とは犯罪のこと

ウクライナでの、ロシアによる戦争犯罪ということが、いま盛んにメディアで報道されている。それはロシア軍による個別の行動なのかプーチン大統領の責任追及としてなのかはべつにして、ようするにロシアの戦争犯罪ということを報道し続けている。
しかし何が戦争「犯罪」なのか?非戦闘員や市民に対する攻撃や残虐行為は、べつに戦争とは関係なく「犯罪」であろう。だからもし犯罪ということを言うなら、たんに犯罪と言えばいいのであって、「戦争」は余計なものだ。
もし、あえて犯罪のことを言いたいのなら、あるいはそれをどうしても戦争に結び付けて表現をしたいのであれば「戦争そのもの」が犯罪なのだから、戦闘行為のすべてに、いちいち戦争犯罪と言えばいい。もちろん、そうなると実質的には、「戦争犯罪」という表現には意味がない。
非戦闘員や「一般市民」などに対する攻撃や残虐行為が犯罪であるなら、それ以外の戦闘行為も犯罪であろう。逆にもし、戦闘行為が犯罪ではないというのなら、非戦闘員や一般市民に対する攻撃や残虐行為も「犯罪ではない」ということになる。
ではどういうことになるのか?
「戦争は犯罪ではない」ー、これを前提としよう。それならば、「戦争犯罪」など、ありえない。あえて言うならば、戦争そのものが「犯罪」ではないか。それを「犯罪ではない」と言いながら、戦争犯罪などということを言うことじたいが、矛盾そのものであり意味をなしていない。
戦争犯罪とは、戦争を肯定し、戦争を賛美したい者たちが作った好戦的な思想の極みである。