国家を擬人化するな

国家を擬人化してはいけない。
愛国心は国家を擬人化することによって成り立つ思想だ。それは個人から家族、家族から郷土、郷土から国へと、集団を拡大していき、究極的に国家という組織を擬人化することで「国家を愛することは個人を愛すること」というように、個人と国家を同体のもののように捉えさせようとするものだ。
しかし国家と個人は違う。個人のために国家はあるのであり、だから個人が国家の犠牲になるようなことがあれば、それは本末転倒していることになる。愛は個々の人間にあり、それを国家という組織集団に置き換えることはできない。
憲法第九条は、個人としての国民のいのちを守るために定められたものであり、そのために国家による武力行使を禁止した。たとえそれが自衛のためのものであっても、国家は戦闘をしない。これが戦争の放棄である。