臆病者の第九条を守れ

もし憲法第九条が臆病者のシンボルだと言われたら、それでいいと思う。臆病者であるとしても、死ぬよりもましだ。そこまでしていのちが惜しいのかと責められ軽蔑されたとしても、いのちが守られ、助かるほうがいい。
プライドとか立場とか、国家とか利害とか、独立やら名誉やら…そういうものより、ただ生きていたいとか、助かりたいとか、そういうことのほうが実感を持てる。
たしかに全く抵抗せず戦わずに、それでその場は助かったとしても、侵略者に、よりひどい虐殺や虐待を受けることになるかもしれない。しかしそれでも戦わない。戦闘を避ける。そのときだけ助かることであっても、あきらかに殺されるということは避ける。それが素直な気持ちで本音だ。「そのとき」だけでも助かりたい。これを大事にしたい。第九条はそういう気持ちや本能を守るためのものだと思う。