叶チャーム(2)

僕は特撮好き、特撮オタクということに偏見があったから叶に新鮮な驚きや興味を持ち、彼女に好感を持ったのだと思う。もちろん「トクサツガガガ」というドラマにたいしても好きになったのだ。
外見が自分の好みで、仕事もできて同僚たちからの評判もいい。そういう主人公が中心になって職場その他の人間関係などを描くドラマだとして、ある時期にその主人公が特撮好きだということが判ったとしよう。その人にたいしてのある程度の好感を持っている前提からだと、特撮のことを知っても「変わった人かもしれないが、そういうことだってあるだろう。面白いではないか」的な感覚になるのではないかと思う。
しかし最初から叶が特撮オタク、それも隠れ特撮オタクということを知ったからこそ、「特撮が生きがい」の女性が、可愛いくて社会生活もきちんとやれていて…というそのギャップが魅力になったのだった。
つまりそれほど自分は、特撮オタクということに偏見を持っていたということだと思う。もちろん頭では、特撮と人柄や能力あるいは外見の良し悪しも、関係がないとは思っていた、そのはずだった。でもほんとうは違っていた。違っていたから、叶に対しての、そのようなショックや落差を感じ、そのギャップが魅力となって映ったということだったのだ。
よく気持ちの整理がつききったとはいえないが、そんなことを考えている。