叶はなぜ特撮好きが続くのか?

ドラマ「トクサツガガガ」の主人公・仲村叶が、なぜ大人になっても特撮を好きなのかわからなかった。
それを或る知人が納得がいく答えをくれた。その知人が言うには、それは叶が特撮番組の特徴である「愛と平和と友情」など、幼年期の子供が判りやすく、幼いながらにも感動をする人道的なテーマを題材にしているからではないかというのだ。つまり叶が特撮を好きな理由の基本は、変身とかロボットなどのデザインやヒーローが闘う技や武器などではなく、道徳的な精神面にあるということだ。
ほかのドラマのように特撮には、恋愛や家族問題、職場や職業などでの人間関係や組織・社会の問題などの複雑さなどは扱われることが少ない。比較的に単純なストーリーで、そこに基盤になっているのは愛や正義など子供に判りやすく描かれている。
知人は、叶はそういう人間的な美しさに魅せられて、もともと特撮番組を夢中になったのだと。それから考えると叶は、年齢にしてはかなり早熟であったと思える、と。
そして幼年期に、そういった特撮の精神的な部分での共感を基礎にして、その上に変身やロボット・サイボーグあるいはエスパー、そしてそのコスチュームやデザインなどの格好よさ、アクションの面白さ…等々を、そのモチーフとしての魅力にも憑かれてー叶は、年齢を重ねても、あるいは性別では女性であってもー特撮を好きでい続けていると。
なるほど、と思った。特撮によって叶はその人間性の生き方である基礎を創られたのだ。そして特撮を愛することで、特撮ヒーローと共に自身の心も養われ成長してきたのだ。
そういうことを思いながらまたドラマを観ると感慨もひとしお強くなった。