トクサツガガガ無駄がない

トクサツガガガを観ると、それ以外の物語は本筋や本題に関わらないことが描かれているかが解る。
トクサツガガガは、医師や看護師や病院の場面が1度もない。小休止的な意味で警官が出る場面があるが、それは劇中のコントとして割り切っていて、それを除くと警察官は出ないし、交番も警察署も出ない。出火や火事、交通事故もないし、救急車や消防車が走る場面もない。本筋や場面展開に関係がないのに、家にセールスマンが営業に来ることもなければ突然宅急便が届くこともない。また会社や職場で主人公の同僚たちは出てきても、課長や部長などの役職のある人物や上司はいっさい登場しない。学校の教師も最終回のつ僅か数秒間ちらりと姿を見せるその1回だけだ。駅のホームと電車の車両内あとバスの中と外観の場面はあるが、乗用車の場面はない。通常だと車の扉が開いて車内から主人公が出てきたり、夜遅くなったのでタクシーを拾うといった場面が少なからずあるものだが、それもまったくない。つまり必ずしも必要でなかったり、直接に物語に関連しないことも、わりと多くのドラマでは一種の決まり事のように出てくるものだが、トクサツガガガはそういう場面がいっさいないのだ。人物・品物・風景・モノゴト・台詞や言葉など、本当にその物語の進行や主人公の行動や人間関係、話の展開などに必要なこと以外は描かれない。ーだから話がすごく分かり易く、素直にそのまま物語に入り込んでいける。これほど徹底して観やすく造られたドラマを観たのは初めてだった。