主観の時代

主観の時代が来た。

かつては「客観」ということが重視され、客観にこそ真理や真実があると思われていた。

しかし現在では、主観こそが、ものごとを認識する上で最も大切なことになった。大半の真理や真実は、主観によって決まるようになった。

人は、ものごとを「自分が望むように見る」と、よく聞く。誰が言ったか判らないし、仮に知っていたかもしれないが、そうだとしても今は忘れた。だがとにかく、自分の望むものが事実であってほしいというのは、よく理解できるし、それで「事実」が作られるとすれば、

ーー要するに、事実・真実・真理…これらの言葉にはもともと曖昧さが含まれているのだが…

ものごとの本当のこと、そう思われていることなどは…すべて人の願望なのかもしれない。

事実や真実といったものが「ある」わけではない。それらは「つくられる」ものだ。

人は真実を欲していない。人は自分が望むものを真実として「つくる」のである。