男の文明

男だけが文明の作り手であったというつもりはない。だが文明の中心の担い手が男だったのだろうとは思う。

人間は弱い故に、技術や知性というものを手に入れた。それが生きるため、人類の種の保存のために必要なことだったのだろう。

言語とコミュニケーションの発達。それを文字という手段で記録する。それらは思考や論理を生み出し知性となっていったとしたら…その結果を含めて、それがさまざまな組織や制度に反映される。

しかしそこには同時に、暴力や支配という手段と共に、欲望というものが生まれ、欲望は文明を高めたかもしれないが、それに伴い権威や権力、軍事力、差別や搾取などが世の中を支配してきたとしたら…

そういうものの中心的な主体は、やはり男、男性ではなかったかと思う。現実に、権利者や軍人、組織などの経営者や指導者、学者、思想家や宗教家など…世の中の多くの経営や管理などリーダー的なことをしてきたのは男性ではなかったか?例外的なことがあっても、大半は男性だったと言わざるを得ない。

この欲望は、具体的には主に、強烈な自意識過剰と自己承認欲求となって現れた。競争と勝ち負けへのこだわり、闘争と破壊の衝動、欲求。上下優劣の意識。…要するに優越感と支配の欲求だ。

そういう社会的な欲求や対人関係における優劣の意識は、たしかに女性にもあるだろう。しかし殆どは男性が主軸となって回り、その影響と結果によって、女性も意識的か無意識的かはべつにして、…女性も、男性の「欲望の世界」の中で「男性的」に生きてきたということではないだろうかと思える。

それでは現実の実際の世の中においてはどうしたらよいか…

とりあえず政治家と軍人のすべてが女性になることが必要でないかと思う。ーー政治家がみな女性になれば、少なくとも男性に比べれば、権力や権威の弊害が少なくなるかもしれない。そして軍人がみな女性であれば、やはり男性に比べたら、暴力や闘争など軍事的なことでの弊害が少なくできるかもしれない。

またこれからの傾向として、いわゆる「草食男子」と言われるような男性が増えていけば、とても望ましいと思う。

男性的な「権力と暴力」を基盤にした世の中…抑圧と差別、優劣の意識、暴力・闘争・競争そして戦争、そういう社会は変わらねばならない。

世の中は根本から変わらねばならない。