主張する男は信用できない

自己主張の強い男は信用できない。とくに政治的・社会的な主義主張をする男は信用してはならない。それは権力志向で闘争的だ。

声高に平和を叫ぶ男は、真に平和を求めていない。平和を主張するという戦いをしたいだけだ。改革だとか革新だとかを主張する男は、じっさいには革命などの名のもとに権力を求め、或いは名声を欲しているに過ぎない。

いわゆる主義主張など言わず、政治や社会や思想信条などに興味をもたない男、たとえば昔ならノンポリと呼ばれたような男、それが男ではマトモな人間だ。

女は本来的に社会的なことや思想的な問題に関心をもたない。自己と身近な人々に関心の中心があり、大切なのは具体的な人間関係だからだ。その女が社会的なことや思想信条を語り主張する場合は、主として二つの場合がある。1つは性差別からくる反発のかたちとして、男社会のなかに同化しようとする結果として、擬似的な男になろうとする場合である。これは基本的に失敗する。男がつくった社会を男の立場から変えることはできない。

もう1つは、本来的には権力や闘争を欲しない女が、女のままで、しかし現実に性別を問わず人々を苦しめる社会の根本、権力と闘争というものじたいを、協力関係というものに変えていこうとする場合である。その場合は、真に、女が社会変容の担い手になりその主体となる。