力と争い

力は争う。どのような力でも争う。
冷戦はイデオロギーという力の争いだった。イデオロギーのなかの資本主義と社会主義というイデオロギー同士の力の争いだった。
冷戦はイデオロギー間の争いによって民族や宗教の力の争いを抑制してきた。その抑制が取り外されたために、民族の力の争い、宗教の力ーーこれはとくにイスラム原理主義が争いの主体になったがーー力が頭をもたげた。
民族は人間の群という根源の力だ。宗教もそれが強固な仲間意識や共同体感覚があると力となる。
仲間の感覚の力は、なにものもこれを壊すことが出来ない。