日本らしく戻った

明治維新以来、日本のいわゆる「進歩的知識人」と言われる人達は、西洋の文明を「簡単に受け容れていいのか?」「きちんと考えなければいけない」といったことを考え、主張してきた。それが良いことのように思われてきた。
しかし最近は、「なにもそんな難しい堅苦しく考えなくてもいいじゃないか」と思うようになってきた。
いいものは、いいではないか。便利なもの、珍しいこと、面白そうなことを素直に受け容れて何が悪いんだろう?と考えるようになってきた。
なまじか勉強した人々は、へんにこだわりすぎたと思う。「こだわり」とか「頑固さ」とか「モノゴトを疑ってかかる」とか、それがいいことであり、頭のいい人はそういうものだという、なにか、もったいぶった、賢そうな、要するに偉そうに言いたかっただけかもしれない。そこまで言うのは言い過ぎかもしれないが、でも、「考える」ことが利口そうなこと、偉そうなこと、なにか凄いことを言っているような風潮は、それはちがうのかもしれないと思うようになった。