日本国民の精神

日本国民の精神は、きわめて物理的な現実生活の思想化によって形成された。すなわち9条、自衛隊自民党、そしてマルクス主義である!
9条は絶対平和の要である。これは徹底した物質主義に成り立つ。どんな精神主義も言動も、いのちと平和を守るというきわめて物理的物質的な生存欲求には代えがたい。9条は「死なない」「殺さない」「破壊されず、破壊しない」「争わない」という、いっさいの観念を捨てた現実の生存と生活だけを守るというキレイごとを廃した美しい理念である。それは利己主義に徹して平和を守る、平和でさえあればいいという本来の正直な欲求だ。
自衛隊は、理屈やタテマエがどうであろうとも、必要なものは「必要」だと正直に本能をさらけ出すことによって派生した現象だ。災害のときに必要であり、暴力による侵略を防止し、人命救助や人道支援に役立つ存在。それは人道と福祉の基盤だ。
自民党は、いっさいの矛盾と混乱を収束するための受け容れ機関であり、人々が勝手にあれこれ増長する欲望を調節する最大公約的な人々の集約者の役割をなす。
マルクス主義は、体制批判的な論法と同時に本質の分析をする社会的な研究として、人々の理性にうったえる存在である。
9条、自衛隊自民党マルクス主義ーーこの四つが戦後日本の社会的な基礎をつくった。