憲法の限界と変遷

憲法は絶対ではない。絶対ではないが、かなりいいものだと思う。そして限界がある。だから安易に変えると混乱し信頼性を失うから、解釈改憲がいい。解釈改憲の中身の良し悪しはまたべつなことだ。抽象的だが本筋だけ言えば、基本理念を守って、時代に合った解釈をしていくことだ。

残虐な刑罰とは、刑罰の多くだ。死刑(生命刑)・懲役刑や禁固刑(自由刑)いずれも、生命と自由という人権の基盤を奪うのだから残虐だ。

戦争放棄の9条に関しては、あまりにも歴史の苦節を経てきたが、焦点は暴力の否定だと思う。何が暴力で暴力ではないかは、状況で異なる。しかし戦争や戦力を否定するという大前提を忘れずにいれば、瑣末な字句の解釈より、暴力にならないようにすること、戦争でなく平和を選択すること、これらを常に念頭に置くことが最重要だとわかる。

自由権は無限だ。ただそこには、自分自身を含めて皆が幸福になることが自由の最大の条件だということを忘れないようにしなければならない。

生存権や幸福追求権は、より弱者のためにある。人道と人権の基盤の思想である愛は平等であるが、平等であるから、より弱い者や、より苦しい者に、より多く優先的にそそがれねばならない。弱い者を救済することが愛である。

その他ことばの表面や細かい字句や文法上のことは、こだわる必要はない。その時々の状況のなかで、必要と思われたら解釈を変えていけばよい。