環境と人柄

環境と人柄をどこまで影響があることかは解らない。かなり影響はあるであろう、ぐらいは言える。
傲慢か謙虚か、親切か不親切か、疑い深いか人を信じやすいか、優しいか冷たいか、ーーそこはいろいろあるだろう。ただ、ある程度いえるかと思うのは、周囲の人間に配慮するか、それほどしないか、あるいは全くそれが無いかーーそれについては、その人の育ちや環境などが相当に影響するのかとは思う。
もちろん絶対はないし個人差は大きいだろうが、やはり一般に人間というものは、例えば傲慢で我が儘でも、それを何らかの理由から「許容」してくれる場合、それも一時的でなく、かなり継続的・安定的にそれが可能であると、傲慢・我が儘も定着しやすい。その逆であれば反対のことが起こりやすい。いつもビクビクして周りの顔色を窺わねばならないと、謙虚になるともいえるし卑屈になるともいえる。慎重になるともいえるし臆病になるともいえる。思いやり深くなることもあり、強い者に媚びへつらうようになる場合もある。そういった違いは紙一重かもしれないし、誰でも、どのような性格・態度・生き方などになるかは、なかなか言い切れるものでないだろう。
要するに人間は、個人差があるとしても普通に考えると、たいていーー甘やかされ、チヤホヤされすぎれば、傲慢や我が儘、ひとの気持ちや立場を配慮しない人間になりやすい。反対に、厳し過ぎる環境だと、卑屈・臆病・そして今よく言われるような同調圧力に極端に反応してしまうようになりやすいということだ。
人間も生物であり、そこに生存本能や自己防衛の感覚が生まれることは当然だと思う。人間は本質的に保身に向かう。優しさ、謙虚さ、協調性、他人に対する思いやりやデリカシー。これらの感覚、性格、倫理観などは、保身がそれなりに影響しているのかと思う。人間はそれだけ不完全なのだ。