白線の光(3)

エマージェイソンからの記憶・愛・信頼というモラル的なことでの衝撃を受けた。同時にその他の特撮番組も含めて、ロボットや宇宙人・超能力、そして変身や変身ポーズなどの、さまざまな特撮のモチーフ的なものを惹かれていったのだろう。
モラル的・道徳的なものとモチーフ的なものと、二つの理由から叶は、特撮に夢中になりそれを自分の最大の生きがいにした。途中に事情があって十代の頃に特撮離れの時期があったとしても。
叶が結果的に無類の特撮好きなことはわかったが、彼女がことあるごとに自分の特撮好きを恥じるのは…もうひとつ釈然としないところがある。彼女は本当に自身の特撮好き、特撮オタクであることをイヤだと思っているのだろうか。たしかにそうであれば、自分が否定的に思っていることを好きなのだから、そこに矛盾した複雑な感情を持つだろうが…
この問題は、なかなか僕のなかでも割り切れず釈然としないところがある。