自衛隊の未来

日本に自衛権はない。個別的自衛権集団的自衛権もない。日本にあるのは平和的生存権だ。それは平和を守り、あるいは平和を築き、また万一不幸にして平和が壊れてしまうことがあれば平和を再興すること、それが平和的生存権だ。
自衛隊は「自衛」という名称はついているが、とりあえずそこへのこだわりはおき、とにかく大切なことは、自衛隊が真に平和のための組織として活動をしていけるかということだ。
自衛隊は戦力であってはならない。自衛隊は軍隊であってはならない。自衛隊は武器をもっているし、軍事的な訓練もしている。しかし自衛隊は、戦力であっても軍隊であってもならないのだ。戦力・武力・軍事力…いろいろな言い方はあるが、どれもひと言でいえば「暴力」のことだ。あるいは暴力をかたちをかえて言い換える表現にすぎない。暴力は平和を壊すものだ。だから自衛隊は、暴力である戦力や武力や軍事力を用いてはならないし、その存在は軍隊であってはならない。
たしかに自衛隊は武器を持っているし、武力を行使する能力も持っている。それでも自衛隊は、軍隊であってはならない。そこに矛盾があっても、それでも自衛隊のすべきことは平和のために活動をすることである。武器を持っていても、戦闘訓練をしても、それでも自衛隊は平和のための組織であらねばならない。