戦争を拡大させる戦争報道

戦争報道は戦争を拡大させる。武器や戦況や占領地のことや戦略や義勇軍戦争犯罪のことはもとより、戦災の悲惨さを伝えることも、戦争に関する報道や情報は、すべて戦争の肯定につながる。

戦争は、報道によって拡大し、継続される。

人は戦争を意識することによって戦争をする。

かつて日中全面戦争において、日本は戦争を意識しなかったように見えた。しかし実は、意識していたのだ。戦地の状況や戦況を伝える新聞やニュース映画、出征兵士を見送る人々ーーたとえ戦争という言葉を使わず、「事変」や「事件」という言い方をしたとしても、事実上それは報道および情報などによって、みなそれが戦争であることは知っていた。

戦争の情報は軍によって作られ流される。戦争を拡大し継続させるためだ。マスメディアの戦争報道をはじめ、戦争に関する情報は、すべて軍国主義の計略だ。

戦争の情報は、戦争を「より巨大化」させる。軍国主義を喜ばせる。

情報が戦争を生む。

戦争があって、戦争の情報が生まれるのではない。情報によって戦争が生まれるのだ。

戦争報道をする者は、軍国主義者である。人間は、戦争を知ることで、戦争を望むようになる。