素直な無作為はイビツ

デコボコやチグハグ。作為や見栄や自意識の過剰がなければ、きれいな形などにはならない。綺麗とは、無理をして作った快感かもしれない。ひとは、完璧へのあこがれと開き直りからできている。矛盾を恐れ排除することから、人間の世の中は生きづらくなった。本物なら、それは雑多でまとまりのないもののはずだ。余計と思われるモノが混ざっていて、不足しているモノがあり、ゴチャゴチャした未整理なものであるはずだ。つまらない知識や権威や道徳やら制度やらが、つねに立派なものを優れたものをと欲を出して脅迫してきた。雑然、断片、矛盾、不合理、未整理…それは棄てられた宝だ。西洋文明と近代的な思考は、その宝をいとも簡単に投げ捨ててしまった。いまが分岐点で岐路だ。「いびつ」と言われることを怖れず、プライドと共に洗練美の指向と見えざる権威主義から抜け出そう。