ボンヤリの理解

西洋の近代思考が良いと思われてきたことに日本の無理があった。考えても真理はわからない。いいかげんな茫漠としたものに本当のことはあらはる。考え深いことは決していいことではな
いのだ。価値観は根本から変わり、無思考が大切になる。これまでの日本人は、無思考なのにそれを受け入れられず「もっと思考するべきだ」と思っていた。少なくともそういう世の中の空気があり、とくにインテリ層にはそれが多く、全体の社会も「頭のいい人たちが言うことなのだから」と、意識的かどうかはべつにして、そうあらねばならないという空気があり、知らず知らずのうちにそれに呑み込まれてきたのだ。本当に実務的なことや技術的なこと以外は、ほとんどは考えるということは必要ない。むしろ考えないほうが良い結果が生まれる。このことに、もっと自信を持つべきだ。