戦争は自立した生きもの

いまおこなわれているウクライナ=ロシアの戦争でわかったことは、戦争は人間を起こすのではない、ということだ。戦争は人間の感情から生まれるものかもしれないが、しかし発生した戦争は人間の意志を離れ、それ自体がひとつの独立した存在になる。
これまで多くの人々が勘違いしてきたのは、戦争に価値や理由や責任や理論や利害や大小や思想やシステムや歴史や民族や正論やいろんなのやプライドや感傷や憎悪や同情や経済や軍隊や法や神仏や情報やーその他の要らぬ言葉や事物が関わりすぎたのだ。
結論を言おう。
「だれが戦争を始めるのか?」ーそれは「戦争が」始めるのだ。戦争が自分の意志で行動するのだ。だれに戦争の責任があるのか?ー戦争の責任は「戦争じしん」にあるのだ。
では誰が戦争を終わらせるのか?ーそれは人間が終わらせるのだ。人間ができることは、こと戦争に関しては、それを「終わらせる」ことだけだ。それは何か?具体的には戦争を殺すことで、戦争を破壊することである。つまり、戦争をしないこと。してしまった戦争は終わらせること。ーそれが実際上の戦争を消滅させることである。
敵は戦争である!唯一の敵だ。人間が人間に罪や責任をなすりつけてどうなる?それは戦争の思う壷だ。壊滅させるべきは戦争である。
専門家に惑わされるな、政治家にだまされるな。どんなにバカにされてもいい、未熟だ世間知らずだと笑われてもいい、ただ「戦争はいやだ」「戦争をするな」「戦争をやめろ」ーそう叫ぶことがいちばん大事なのだ。単純な叫び、しかしそれがなによりも強い。