公家物語(12)

公家は地球を掴むと、それを力一杯床に叩きつけた。どすんという音とともに、地球は粘土のようにいびつに歪んだ。それは、あんが飛び出て潰れた餃子のように見えた。そして公家は、靴底で思い切り、半潰れの餃子を踏みつけると、さらに力をこめて、ぐりぐりと押し潰した。
「貴様なんか!」「貴様なんか!」、「おまえかワルい!」「おまえのせいだ!」、ぐいぐい、ぐいぐい、踏みつけた。土塊はもはや原型を完全に失い、ぐちゃぐちゃの、めったメタに引きちぎれ、ただの飛び散った泥になっていた。
…ぺッ!
公家は「元」地球に唾を吐いた。