人道と人情

個人も社会も含めて、けっきょく、いちばん大事なのは人道と人情だ。
人道も人情も、同情や慈愛や正義や勇気や尊敬やーーそういう倫理的に普通「よい」と肯定される感覚を基礎にした精神だ。その上で、人道は平等を、人情は「身びいき」を、それぞれ軸にしているという違いだ。
平等や公平は基本よいことだが、同時に身びいきやえこひいきがあって優しさも生まれる。
人道と人情は、対立することではなく、包摂されるもので、一体の感情なのだ。