群れ

人間は群れが基本だと思うが、その多くは群れの下に沈潜した自我「もどき」になる。自我ではない。自我は実在しない。自我のように思い込む感覚があるのだ。
自我という実体のないものをあることにして、それに逃げこむのだ。
人間は群れだ。つねに群れの中にいる。もっといえば、群れそのものなのだ。群れでありながら、そこから離れようとする。それは不可能なのに。群という全体が個だともいえる。言い方だけの違いだ。
自我をなくすことが死ではない。自我を求めることが死への衝動なのだ。