外国の「真似」を考える

日本は外国の制度や習慣や思想などをすぐ真似する。それについて海外のことはべつにして、日本人自身も賛否両論になる。「良いことは、どんどん取り入れるべきだ」と「簡単に真似ばかりしていいのか?」である。
結論から言えば、前者の「よいものは取り入れる」でいいと思う。偏見なく、必要以上の疑いを持たずに、「よいものは良い」で摂取すればいいと思う。ただ気をつけるべきは、それが海外のものである場合、具体的なことでは、それが日本の現状に合うかどうかは考えたほうがいいだろう。とくに技術的なことなど目に見える物理的に解りやすいことは、わりあいと、それが日本や日本人に合うものかどうかは適切な判断がしやすい。だからそれを日本の実情に見合ったように改良して実用化することができる。
だがそれが制度や慣習など、直接に分かりにくいことになると、とたんにギコチなく、ギクシャクしたものになってしまうことが多い。そっくりそのまま真似しても、まず失敗する。それはそうだろう。実態が違うのだから。そうかと思えば「日本は事情が違う。それは日本には合わない」と、最初から拒否をする態度だ。ーなぜか日本人はそういうときに、全く考えなしに適用するか、頭から反対するか、その両極端になる傾向がある。
繰り返しになるが、「よいものは良い」で受け容れ取り入れることは良い。そのさい大切なのは、具体的なことは外国と違うことが多いのだから、それは実情に合うようにするべきだということだ。しかしこれは慣れの問題も多い。今後は国際化が進むなかで、それも変わっていくかと思う。