2022-06-03から1日間の記事一覧

レイ再び(1)

雷雨はおさまりかけていた。予報通りなのだが、予報をこえてすこし前には雹(ひょう)が降ったと聞く。雷雨のあとに雹が降ることはあるのだろうか?マイは、くすんだ南の空をぼんやり見上げて思った。 「どのコーヒーがいいかな」セイは、ドリップコーヒーのパッ…

白線の光(9)

特撮を離れていた頃の叶がどのように生きていたのか、その具体的な細かいことは解らない。 しかし、時間にすれば、たぶんほんの1~2分間くらいの短いものだが、高校生の叶の姿を見れば、それは確実に幸福なものであったにちがいないということが判る。 叶は…